宇宙の深淵を裂くように、赤い閃光が走った。
おおとりゲン——かつてのウルトラマンレオは、地球に向かっていた。
新たな任務、新たな戦い、そして新たな「姿」で。
「……ふぅ、やっぱり慣れないな」
地球圏へと降り立つゲンの姿は、長い赤茶の髪をなびかせた若い女性、その名も「
だが、その外見に惑わされてはいけない。
中身は不器用で、真っ直ぐで、地球を愛する戦士、男のままのウルトラマンレオ本人だった。
地球を狙う新たな脅威、その報せを受けて戻ってきた。
だが、今回は正体を隠すため、擬態を大きく変えたのだ。
「地球は、俺が護る」
◆
東京湾沖——突如、海面が不気味に泡立つ。
巨大な影が水面から姿を現した。
「グギャアアアア!!」
それは、かつての円盤生物を思わせる異形の怪物——円盤獣。
だが、その構造は明らかに改良され、未知のエネルギーをまとっていた。
街の人々が逃げ惑う中、静かに歩み寄る女性がひとり。
赤いジャケットを羽織り、鋭い眼差しを光らせる「鳳 聖華」。
「この星は……俺の、新しい故郷だ」
変身アイテムを握りしめ、聖華は空高くジャンプする。
赤き閃光が夜空を照らし、巨大な戦士、ウルトラマンレオが再びその姿を現した。
「行くぞ……!」
赤い獅子が、再び地球を護るため戦い始める。
その正体は、美しい女性の姿を借りた、誇り高き戦士——ウルトラマンレオ。
夜空を裂き、赤き戦士が降り立つ。
ウルトラマンレオ——かつて地球を護った戦士、その姿が再び現れた。
円盤獣は、咆哮とともに触手のような奇怪な腕を振り上げ、レオへと襲いかかる。
「グギャアアアア!!」
鋭い一撃を避け、レオは身を翻す。
素早く距離を詰め、強烈なキックが怪物の胴体を捉えた。
しかし——
手応えはある、だが倒しきれない。
この円盤獣は、単なる再生品ではない。進化している。
「地球は、もう好きにはさせない!」
さらに連撃を浴びせるレオ。だが、怪物は倒れず、逆に高層ビルを次々と破壊し始める。
人々の悲鳴が響く中、レオの心は焦りを募らせる。
そんな中、通信が脳裏に届いた。
宇宙警備隊からの緊急報告。
『確認された個体は「円盤獣」型だが、背後に未知の艦隊反応あり。単独行動ではない』
「やはり……これはただの残党じゃない」
状況を見極めたレオは、一時撤退を選択する。
ビルの陰に身を隠し、再び人間体・鳳 聖華へと姿を戻す。
「くそっ……アイツら、地球を狙ってやがる」
赤いジャケットの女性——だがその目には、戦士の覚悟が宿っていた。
たとえ姿を変えようとも、その魂はウルトラマンレオのまま。
「地球は、俺が護る。たとえ何度でも」
夜の街に、不穏な闇が広がっていく。
だが赤き獅子もまた、その闇を打ち砕くべく動き出していた。