朝の通勤路。
何気ないはずの街角に、不穏な影が漂っていた。
横断歩道を渡る聖華の前に、突然、暴走車両が突っ込んでくる。
「っ……!」
間一髪、身体を翻し避けた聖華。
だが、それはただの事故ではなかった。
不自然なまでの狙い澄ました動き——これは、明らかに罠だ。
◆
「ダルゴス……やり方が陰湿だな」
廃ビルの屋上から、状況を見下ろしていたセブンは、静かに目を細める。
その隣には、宇宙警備隊本部から緊急派遣されたゾフィーの姿があった。
「奴は、戦士そのものより、その弱点を潰すつもりだ。
人間社会に身を置くウルトラマンは、確かに隙が生まれる……」
ゾフィーの声は厳しい。
しかしそれは、戦士たちの痛みと苦悩を理解しているからこその言葉だった。
◆
夜。
アパートの帰路、再び聖華は何者かに襲われる。
だが、咄嗟の反撃と身のこなしで、辛うじて拉致を免れた。
「……完全に狙われている」
己の素性が、すでに敵の手にある現実。
それでも、ウルトラマンレオとして、鳳 聖華として、彼女は闘う覚悟を新たにするのだった。