第9話 暴かれた素顔、迫る黒い影

〜 帰ってきたウルトラマンレオ 〜

 市街地に響く衝撃音と咆哮。
 円盤獣ゴルザークは、その重装甲と鋭い爪でレオを追い詰める。

「ぐっ……負けるわけには……!」

 セブンから授かった教え、仲間たちとの誓い。
 全てを胸に刻み、レオは再び立ち上がる。

 レオキックが唸り、ゴルザークの装甲を貫く。
 続けざまに放たれたレオナックルが決定打となり、ついに怪獣は爆散した。

「ふぅ……なんとか、勝てたか……」

 しかし、安堵する間もなく、背筋を這う冷たい感覚が聖華を襲う。
 変身を解き、街に戻った彼女に、奇妙な視線が注がれていた。

「……誰か、見ている……?」



 その夜、アパートに戻った聖華のもとへ、宇宙警備隊からの通信が届く。

『こちらゾフィー。レオ、警戒を怠るな。ダルゴスは、お前の正体に迫っている』

 ゾフィー——ウルトラ兄弟の長兄が、自ら警告を発する異常事態。
 事態は、確実にレオと地球を包囲しつつあった。

「分かってる……だけど、俺は……いや、私は、この星を護るって決めたんだ」

 だが、その決意を冷たく嘲笑う影が、暗闇に潜んでいた。

「ふふ、レオ……お前の“もう一つの顔”、時間の問題だ」

 ダルゴス将軍の次なる一手が、静かに地球を蝕み始めていた。