第8話 二つの顔、揺れる誓い

〜 帰ってきたウルトラマンレオ 〜

 朝の光が差し込むアパートの一室。
 そこに立つのは、地球人女性・鳳 聖華としてのレオの姿だった。

 鏡に映る自分の姿に、微かに違和感を覚える。
 この肉体は地球に溶け込むための仮初めの器。
 だが、内なる魂はウルトラマンレオ——赤き獅子の戦士。

「普通の生活なんて、俺には……いや、私には似合わないか」

 スーパーの袋を提げ、通勤ラッシュの人々に紛れる聖華。
 だが、心の奥底には常に「戦い」が渦巻いていた。



 その日の夕方——異変は突然訪れた。
 巨大な怪獣、円盤獣ゴルザークが市街地に出現。

 鋭い爪と重厚な装甲を持つその姿は、人々に新たな恐怖をもたらす。

「またか……!」

 聖華は物陰に身を隠し、変身する。
 赤き閃光が夜空を切り裂き、再びウルトラマンレオが地球に降り立つ。

「行くぞ、ゴルザーク!」



 だが、その戦いを静かに見下ろす黒い影があった。
 ダルゴス将軍、その冷たい瞳がレオを見据える。

「人間社会に紛れて生きるか……ふふ、既に正体は把握済みだ。鳳 聖華、お前の"素顔"など、とうに暴いている」

 暗黒艦隊の策謀は、着実に進行していた。